2人が部屋に入ると、今まで見たこともないほど大勢のソマリ人女性が、腕や足に*ヘナ・タトゥーの装飾を受けるために集まり、それぞれが会話を楽しんでいました。
タミとアルは、南アフリカのケープタウンで活動をしているディアスポラチーム(離散された人々への働き)のメンバーです。彼らは都市にすむソマリ人に対して重荷を持っており、「神様は、私たちの心にソマリ人のムスリム(イスラム教徒)に対する特別な愛を与え
て下さったので、私たちはソマリ人地区で活動を始めました。彼らに希望を届け、特に女性たちと友人関係を築きたいと願っています。」と話します。
最初、ソマリ人女性は、言語の違いや恐怖心のために、なかなか二人に対して心を開かず、困難を覚えました。しかし、一時的な肌への装飾のために使用されるヘナを通して、ソマリアの女性たちと会話を始めることにしました。タミとアルは、ソマリアの女性たちがヘナで手や足に装飾することを楽しんでいることをよく知っていたのです。ある女性は、二人にとても心を開いたので、タミとアルはその女性からヘナを購入することにしました。そうすれば、次回も彼女に会う口実ができるからです。
しかし、タミとアルが次にその女性に会ったとき、その女性は二人を利用して利益を得ようとしてことが分かりました。しかし、神様はタミとアルを守って下さり、多額の費用を支払うことのないようにして下さいました。しかも、この女性を通して、タミとアルは、他の二人のソマリ人女性と知り合うことができたのです。彼女たちは「本物の美容院」と呼ばれている場所へと、タミとアルを案内し、そこでは、ヘナをずっと安く購入することができました。
男性は入店することができないこの美容院に、タミとアルはヘナを注文するために入り、会話をしながら笑い合いました。2時間がたつ頃、タミとアルはソマリ人女性たちと友人になり、写真を一緒に撮り、電話番号も交換することができました。
タミとアルは、「これは奇跡の体験です。神様が私たちを導いて下さったことが分かります。出会った女性たちと今後も連絡を取り、良い関係を築いていくことを願い、祈っています。」と話しています。
*ヘナ・タトゥーとは:
肌に残らない「消える」一時的なタトゥー。ヘナという植物を使い、タトゥー(入れ墨)のような模様に肌を染める事を言います。